あれこれと

北海道に関するホームページを作ったけど、いまいち訪問者が増えないので、ブログを立ち上げて、こちらを経由してホームページを訪問してくれる人が増えるといいなぁと。なので、こちらではテーマもなく、北海道とも無関係なことも書いていきます。こちらのブログを見た方は、リンク先のホームページ「いつでも北海道に行きたい!」も見てみて下さいね!

川崎エコ暮らし未来館へ行って来ました

仕事で太陽光発電のことを勉強しなければいけなくなったため、まえまえから行こうと思っていた「川崎エコ暮らし未来館」へ行って来ました。ここは浮島太陽光発電所の見学をメインとし(と言っても、外側からの見学ですが)、エコロジーについて勉強するための施設で、川崎市が運営しています。

平成238月に、この太陽光発電が運転開始したとき地元では話題になり、かなりの見学者が訪れたということをニュースで見たので、「もしかしたら今も混んでるかも」と、開館の9時に合わせて行ってみると、見学者は私だけでした。見学は、館内を自由に見て回れるほか、メガソーラー展望スペースと資源化処理施設の見学が(土日は)1日に2回、メガソーラー構内の見学が(土日は)1日に2回行われており、私はその両方を見学してきました。最初のメガソーラー展望スペースと資源化処理施設の見学者は私一人だけだったためなんだか恐縮してしまいました。メガソーラー構内の見学は私を含めて3名の見学でした。どちらの見学の案内の方も、また受付の方も、とても親切に対応して下さり、特に受付の方は、私が技術系の人間だと話すと、「ちょっとお渡しすることは出来ないんですけど」とおっしゃりながら、電気機器や系統図がわかる資料を見せて下さり、とても勉強になりました(ありがとうございました!)

などと、勉強しようと思って行ったわりには、筆記用具を何も持っていなかったので詳しい数字などは忘れてしまいましたが、館員さんの話では、この発電所の特徴は以下のとおりです。

川崎市東京電力の共同事業。

川崎市が土地の提供をし、東電が発電所の施工・運営をしている。

・この土地は焼却灰を埋め立てたものなので、法律で20年間は建物を建ててはいけないことになっていて、その期間、土地を遊ばせておくのはもったいないので、東電に土地の活用方法について相談した結果、太陽光発電所を作ることになった。

・発電した電力は売電しているわけではなく、東電で使っている(おそらく周囲の工場で消費されているのでしょうとのこと)。

・設備の固定資産税は川崎市が負担している。

川崎市のメリットとしては、羽田空港に近く、飛行機から見えたり、高速道路も近く、車から見えるので、市が環境問題に取り組んでいることがアピールし易い。

・埋め立てして間もないため、地盤沈下することがわかっており、20年間で40cm程度沈下すると言われている。そのため、1アレイ(パネルをまとめる単位)を小さくし、小単位で沈下に対応できるようにしている。

・設置箇所には基礎を打たず、架台を地面にべた置きしている。ケーブルは、これまた地面に置いただけのトラフ内に配線。

・メンテナンスフリー。雑草が育ちにくいように、地面にスギなどのチップを何層か埋めてある。

・雨水は井戸に集められ、それをさらに浄化するための施設に集め、浄化したのちに海に戻している。

・雨水は井戸に集められていることにあわせ、焼却灰はもともと比重が大きい(1.3程度)ため、地震の際に液状化現象は発生しなかった。

・最大出力は7,000kWで、このすぐ近くにある扇島太陽光発電所と合わせると20,000kW

・年間の推定発電電力量は740kWh(昨年は好天に恵まれたため、もっと多かったとのこと)。

・パネルはすべて南向きで、10°の仰角で設置されている。本当はこの地域では30°が最も効率が良いが、風が強く飛ばされることも考慮して10°としている。ただ、そのことによる効率の低下は5%程度。

・列と列の間隔は、冬至で最も影が長くなる時に、パネルに影を作らないように決められている。

太陽電池はシャープ製の単結晶シリコン。1パネルあたりの最大出力は約200Wで、1アレイでは約1800W

・発電電力量が最も大きいのは春。結晶シリコン系の太陽電池は温度が高くなると出力が減少する特性があるため、夏は日照時間が長くても発電量が落ちるため。

・パワーコンディショナーは定格250kWのもの4ユニットを1つのパッケージハウスに収納。パッケージハウスは1構内に7つある(250kW×4ユニット×7パッケージ=7,000kW

・パッケージハウスの横に設置してある中間変圧器でAC6.6kVに昇圧し、それらを最終的に連系変圧器に集め、66kVに昇圧している。

 

もっと、いろいろ教えていただいたのですが思い出せない・・・。気になるコストについてですが、そこは「市ではわかりません」とのことでした。

ついでに扇島のほうにある風力発電についても少し教えていただきました。航空写真で見たところ、かなりの面積の土地にポツンと1基だけ風車があるのですが、それは周囲への騒音への配慮と、複数の風車を近くに作ると相互に影響し合って効率が落ちてしまうためだそうです。そのため、風力発電で必要な面積は太陽光発電2.5倍程度になるとか。

ということで、太陽光発電について、今まで全くの無知でしたが、親切な館員さんのおかげで大まかなことはわかったような気がします。

興味のある方は、是非、川崎エコ暮らし未来館へ行ってみて下さい。子供には難しい話ばかり書きましたが、本来は子供のための施設なので、子供にも馴染みやすい展示コーナーなどもあります。羽田空港で飛行機を見た後に寄ってみるというコースも良いかもしれませんね。

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浮島太陽光発電所の全景。一番手前にあるのが浄化設備。左奥にスカイツリーが見えます

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パネルの架台とトラフ

 

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パワーコンディショナーを収めているパッケージハウスと6.6kVへの昇圧用変圧器

 

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66kVへ昇圧する連系変圧器など

 

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エコ暮らし未来館2Fの展示コーナー(白くそびえ立つのが風車のブレードの先端)

 

・川崎エコ暮らし未来館のサイトはこちら

東京電力太陽光発電所に関するサイトはこちら