西村京太郎さんの本を久しぶりに読みました(なんだか最近、こういうパターンが多いですが)。西村京太郎さんといえば、十津川警部シリーズが有名で、私も好きでよく読んでいました。
中学生の頃から鉄道で旅行するようになり、自然と鉄道を題材にした西村さんの小説を読むようになりました。特に、自分が乗ったことがある電車が題材になっていると、とても臨場感を持って読むことが出来て面白味が増します。
今回読んだ「青函特急殺人ルート」は、北斗星が登場しますが、この本を実際に北斗星に乗りながら読んだ記憶があります。もちろん普通の推理小説として読むのも面白いのですが、「あ~、あの電車の内装は、あんな感じだったなぁ」と自分の実体験があると、より想像力豊かに読むことが出来るというのが十津川シリーズの特徴かなぁと思います。また、今では無くなってしまった電車なども題材に取り上げられていて、それを読むと当時の記憶を呼び起こしてくれたりします。例えば「大垣行345M」を題材にした小説がありますが、これはマニアではない人にも有名な鈍行で、私自身も中学生の頃に青春18切符を使って乗りました。この本を読むと、夏休みに混雑したこの電車に乗って、東京から名古屋まで仲のよい友達と行ったことを思い出します。座席に座れなかったので、床に座り、時には友達と話をし、時には小説を読んで(その時初めて赤川次郎さんの本を読んだことも思い出しました)、夜明けまでの長い時間を過ごした記憶が蘇って来ます。
久しぶりに、西村さんの本を読んで思ったのは、やはり読み易いということと、女性の話し方が特徴的というか「~ですわ」みたいな、今ではあまり聞かれることがなくなった言葉遣いに西村さんらしさを感じました。
西村さんの作品は、とてつもない数が出版されているので、それほど電車を利用しないという人であっても、自分が乗った電車を題材とした作品を探すことが出来るでしょう。そのあまりの出版数に、自分がどの本を読んだかがよくわからなくなり、間違って同じ本を買ってしまったことは一度や二度ならず。もう自分がどれを読んだか把握できなくなってしまったので、ある時期から西村さんの本を読むこと自体やめてしまいました。
そして今回久しぶりに読んでみて、「ん~、なんだか読んだ記憶はあるけど、誰が犯人なんだか?忘れた・・・」という状態でしたので、今ならいちから読み直しても楽しく読めそうです(笑)
さて、西村さんは、まだ現役で作家活動を続けられていますが、既に西村さんの記念館が湯河原に建っています。私は数年前に行って来ました。建物自体はそれほど大きくはありませんが、ちょっとしたジオラマがあり、その世界では事件が起きていたり、細かい設定がされていて、そういうものを見ているのも楽しいです。箱根に行ったついでに立ち寄ってみるのもいいかもしれませんよ。
ジオラマをよく見るとパトカーが停まっています。事件か!
どうやら殺人現場のようです。野次馬までいますね。
2階から下を見ると階段に血痕、さらに1階には人が倒れているようです。