あれこれと

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佐々木倫子さんの「動物のお医者さん」を読みました

動物のお医者さんの連載が終わってから、もう20年近く経ったので知らない方も多いかもしれませんが、当時は結構話題になっていた少女マンガです。その後、ドラマ化されたりもしました。

内容は、獣医学部に通うハムテルという学生と、彼を取り巻く友人、家族、先生、それから動物たちとの日常をコミカルに描いたもので、ゲラゲラ笑うような内容ではありませんが、なんだか可笑しくてクスっと笑ってしまいます。

なぜ少女マンガを私が読んでいたかというと、このマンガの舞台は北大獣医学部をモデルとしており、当時、北大の学生であった私は、何かと目にする機会があったからです。学生生協(という購買部のようなところ)に行くと、そこには動物のお医者さんの新刊が出ると、レジの前の一番目立つところに並びましたし、研究室には、誰かが買った単行本が置いてありました(主人公と同じく名前に「公」という字をもつ新人が研究室にきたとき、彼は即座に「ハム」というあだ名がつけられるほど、当時、動物のお医者さんの影響は大きかったです(笑)。因みに、彼は未だに我々から「ハム」と呼ばれ続けています)。

少女マンガというと、なんとなく(個人的には)ドロドロした恋愛マンガのようなイメージがありますが、このマンガでは、そういうものは皆無です。登場人物はやたら美男美女ばかりという点はちょっと少女マンガっぽいですが、内容的には恋愛の要素が無いので少女マンガという感じではないですし、そうかと言って熱血的な要素もないので少年マンガといった感じでもないし、ちょっとユニークなマンガですね。

そして、このマンガの特徴として、とてもディテールにこだわっている点が挙げられます。動物を飼ったことがある人なら、「あ~、こういう表情するする!」と頷いてしまうことが多々あるでしょう。マンガといっても動物の描写はとてもリアルなのです。また、北大の学生にとっては日常的な出来事も、いくつか登場していました。

例えば免許を取る前に大学の構内で運転の練習をする話があったと思いますが、確かに私も同じことをしました。北大の構内は南北に1kmほどの直線道路がありマニュアル車の運転の練習をするにはちょうど良いのです。当時は夜になると自由に車の出入りができたので、同じように練習する人が多かったと思います。また、13条門というところから西に向かって300mほどにわたりイチョウ並木があるのですが、秋になると銀杏を拾いに来る近所のおじちゃん、おばちゃんの姿をよく見かけましたが、それもマンガに描かれていたと思います。また北大に通う人でも知らない人が多いのではないかと思われる獣医学部の横にあった裏道(ひとりがやっと通れるような舗装されていない小道)が登場していました。私もいつもその道を通って大学に通っていましたが、雪が降った翌朝は、その小道が雪に埋もれてしまっているため、最初にそこを通る人が道を作っていくことになります。自分が最初に通ると悲惨で、靴の中に雪が入り込んでビショビショになってしまいます(長靴だとまだ良いのですが、当時はそれがカッコ悪く思い、普通の靴で歩いていたので。そして教室のストーブの前にビショビショになった靴を乾かしていて、先生に「なんか臭いなぁ。なんの臭いだ?」と訝られたこともありました)。が、2番目以降の人はその踏み固められた後の道を通ればよいので比較的楽なのです。マンガでも、まさにそのことを題材に面白おかしく描かれていました。それからセリカという馬が登場しますが、獣医学部の友人に聞いたら実際にそういう馬がいたそうです。というように、とても細かいことまで取材しているんだなぁと感心しながら読んだ記憶があります。

久しぶりに読んでみても、古くさい感じは全くなく相変わらず面白いですし、すっかり記憶の彼方に追いやられていた食堂の定食メニューや学会前の慌しい準備のことなどを思い出して懐かしくなりました。難点といえば、本屋の少女コミックのコーナーで探さないといけない点で、なかなかおじさんが立ち入るのには勇気が必要です。

 

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