あれこれと

北海道に関するホームページを作ったけど、いまいち訪問者が増えないので、ブログを立ち上げて、こちらを経由してホームページを訪問してくれる人が増えるといいなぁと。なので、こちらではテーマもなく、北海道とも無関係なことも書いていきます。こちらのブログを見た方は、リンク先のホームページ「いつでも北海道に行きたい!」も見てみて下さいね!

三浦綾子さんの「岩に立つ」を読みました

三浦綾子さんの本を紹介することが多いような気がしますね・・・。この本は、自分の母校が無くなることを知り、その最後の文化祭を訪れた際、「懐かしいなぁ」と教室や部室をウロウロし、ふと図書室に足を踏み入れたとき、「本をご自由に持ち帰って下さい」と書いてあったので、数冊持ち帰った本の一冊です。もうあれから5年近く経つので、ずいぶん長い間、読まずにいたんだなぁということに今、気がつきました(笑)

さて、本の内容ですが、ある「棟梁の半生」と書いてあるとおり、旭川に実在した棟梁をモデルにした本です。他の三浦さんの本と異なるのは、この棟梁が自分の生い立ちを聞き手の人物に対して、ひたすら語って聞かせるという設定になっています。聞き手は「いるという前提」で、何も語らないので、棟梁のひとり言のような小説です。

内容を一言でまとめてしまうと、この棟梁の人生は、どんな困難が訪れても、決して他人に媚びたり、自分の意に反することはせず、自分が正義と思う道を貫いてきたものだということをいくつかのエピソードを交えながら語っているというものです。それは戦地に赴いた際でも変わらず、上官の命令が間違っていると思えば、部下がおろおろするほどの言動で、それを正します。このあたりは、どことなく永遠の零を思い出したりもしました。そして三浦さんが小説にしたということは、この方も、その真っ直ぐな心からキリスト教を信じ、洗礼を受けています。

この棟梁は、ヤクザ相手に喧嘩を売ったり、お酒やたばこが大好きだったり、昔の江戸っ子のような気風のいい男で、世間一般がイメージするキリスト教信者とはかけ離れていますが、そんなキリスト教の信者もいるんですよということを三浦さんは伝えたかったのかなぁという気がします。

ところで、はじめに、自分の母校で貰って来た本だと書きましたが、「そう言えば、最後に借りた人は、いつ借りたのかなぁ?」と思って、本の裏に貼ってある貸し出し記録を見ると「昭和63年」となっていました。そうかそうか20年以上も借りられることがなく私のもとに来たのかぁ。活字離れはその頃から始まっていたのかなぁなどと思ってしまいました。でもよくよく考えてみると、私自身、本を借りたことなど一度も無かったですけどね。

岩に立つ