半導体技術者越境のときという特集を読みたくて購入しました。
2011年以降、半導体関係の不振が続き、大手のメーカも半導体部門を縮小したり工場を閉鎖したりしています。その結果、半導体技術者のリストラが増え、再就職先を探すけど、同じような人が溢れているので倍率が高かったり、半導体関連の会社はどこも不況なのでなかなか働き口が無いし、かといって別の業種を探そうにも、今まであまりにディープな仕事をし過ぎてきたために、つぶしが利かないという問題があり、なかなか新しい就職先が見つからないというような問題が書かれています。
私は電気系の出身で、私が学生だった頃は半導体は花形分野でした。我々が少ない予算で研究している時、半導体チームはずいぶん高額な装置を使って研究していた印象があります。
なんで、こういう時代になってしまったかのかなぁと考えてみると、日本の技術者が海外に雇われ、その指導のもと実力をつけてきた人件費の安い国に、安い製品が作れるようになり、価格競争で敗れた結果ということなのでしょうね。
日本としては、さらに高い性能や高付加価値のある製品を作ることが生き残る道かもしれませんが、それも数年経てば、人件費の安い国が作ってしまいます。後発組は開発費を必要としませんが、先発するほうは莫大な開発費や設備投資が必要となり、少なくともその分は回収しなければ赤字になります。が、きっと回収する前に後発組みが現れるので、「やってられるか!」と、半導体部門の縮小に動いているのではないかと思います。
ただ、ユーザー側からすると、さらに高性能の製品が欲しいところなんですけどね。
今はSiCを使った製品の開発が盛んで、それについてもこの雑誌に書いてありましたが、早くもアジア企業が開発に乗り出しているそうで、半導体関連の競争はまだまだ続きそうです。
この雑誌に熱設計講座という記事があり、「基盤設計などは、こんな細かいところにも注意を払っているんだなぁ」と勉強になりましたし面白かったです。
