あれこれと

北海道に関するホームページを作ったけど、いまいち訪問者が増えないので、ブログを立ち上げて、こちらを経由してホームページを訪問してくれる人が増えるといいなぁと。なので、こちらではテーマもなく、北海道とも無関係なことも書いていきます。こちらのブログを見た方は、リンク先のホームページ「いつでも北海道に行きたい!」も見てみて下さいね!

宮本輝さん編「魂がふるえるとき」を読みました

宮本輝さんの好きな短編小説16編をまとめたものです。この本の最後に、「あとがきにかえて」として、この本を出版するまでのいきさつが書いてあります。今までに、オススメの小説を教えて欲しいと問われ、その相手の力量を見極めたうえで、その読者に向いた小説をすすめていたけど、今回は、そういうことは無視し、宮本さんが「優れている」と思う小説を集めた。それを優れていると感じられるかは、読者の人間としての容量次第だとのこと。これは、なかなか手厳しいお言葉!と言うのも、実際に読んでみて、よくわからない小説もあったので。例えば、樋口一葉の「わかれ道」なんかは、半分、古典のような文章で、正直、意味のわからないところが多々ありました。また、井上靖の「人妻」は、たった1ページの短編小説で、どうして、この小説を宮本さんが好きだと思ったのかが、よくわかりませんでした。といった具合に、まだまだ人間としての容量が小さいということを痛感させられる結果になりました。

個人的には、永井龍男さんの「蜜柑」、永井荷風の「ひかげの女」あたりが好きかなぁ。それから泉鏡花の「外科室」は、読んだ瞬間に、「あれ?この話は、誰かが小説で引用していたなぁ。しかもすごく最近読んだばかりなんだけど・・・」と思い、「もしかして、まさに今読んでいる短編集の中だったっけ?」と思って、パラパラと過去の小説を探したのですが、結局、それがどの小説かわからず気持ち悪いままです(笑)

宮本さんが、この本の最後に、「優れた小説ではないもの」として、幼稚なもの、面白くないもの、下品なもの、退屈しのぎにしかすぎないもの、複雑多岐な人間の心のどこにも沁み込んでこないもの・・・を挙げています。そのどれもが、基準が曖昧で、「人による」ところが、すなわち、人間としての容量ということになるのでしょうね。皆さんも、この宮本さんからの「あなたの器はどの程度ですか?」という問いに答えるつもりで、この本を読んでみてはいかがでしょうか。

 

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宮本