仕事から帰り、トイレに入り、用を足して水を流してみると、排水されない・・・。なんて経験をされた方は意外と多いのかもしれません。が、私は、そのような経験は一度もしたことがなかったので、自分の身の上に、そのようなことが起ころうとは想像したこともありませんでした(大袈裟ですが)。ということで、その晩は、「無かったことにしよう。きっと朝になれば状況は改善されているはず!」と、寝ることにしました。
そして、朝、起きて、トイレに行ってみると、「うぉ~、あれは夢でもなんでもなく現実に起きたことだったんだ!」という経験をされた方は意外と多いのかもしれません。私もそういう状況に陥りました。そこで、まず頭に思い浮かんだのが、「くら~し安心、クラシアン♪」という、なんともオキラクな歌です。CMとはオソロシイもので、自分とは全く関係ない宣伝だと思っていても、頭の中にすりこまれているものなんですね。なんてことを考えながら、「いや待てよ。もしかしたら、マンションの保証範囲かもしれないぞ」と思い、マンションの契約書を引っ張り出して、そのあたりの条項を読みました。が、いまいちよくわからなかったので、管理会社に電話してみました。話した結果、故障原因によって保証の範囲かどうか変わってくるそうで、とりあえず直ったあとで判断しましょうということになったので、次に、INAXに電話しました。
私「排水されないんです。時間が経つと、少しずつ水位は下がります」
私の心の声「さすが、トイレメーカ!いきなり専門用語だよ」
私「いえ、どんなものですか?」
INAX「ゴムでお椀状になっているものです」
私の心の声「そんなもの便座についてたっけ?」
私「それはトイレについているんですか?」
INAX「いえ、ゴムでお椀状になっている吸盤なんですが」
私「えっ!あの昔からある吸盤で吸うやつですか!」
INAX「そうです」
INAXの説明では、いきなり誰かに直しに来て貰うと、それだけで2万円近くかかるので、それよりも、まずは自分でラバーカップを使って直るか試してみたほうが良いということで、親切心からラバーカップを教えてくれたようです。が、私としては、「ケッ!この時代に、あんなもんで直るわけねぇだろ!バカにしやがって!!」と思い込んでいるので、そんなもので直るような簡単な故障じゃないんだということを必死に説明しました。が、どうも話しぶりから、INAXはラバーカップで直ると思って話をしている様子なので、「そんなら試してやろうじゃないか、コンニャロ!」と、ラバーカップを試すことにしました。
ホームセンターに行きましたが、なかなか見つけられず、店員さんに、「あの~、トイレでスポスポ吸うやつありますか?」と小さめの声で訊くと、その売り場へ案内してくれました。私が想像していた以上に、その種類があり、どれを買えばよいかわからなかったので、スマホで調べ(スマホって便利!)、どうやら和式用と様式用があり、その選択を誤ると効果が得られない場合もあるようなので、慎重に様式用(997円)を選びました。レジは女性の店員さんばかりで、「なんだか知らないけど、恥ずかしいったらないなぁ・・・」とテレながら、ラバーカップを購入したのでした。
家に帰り、水が跳ね上がって、たいへんなことにならないように、便器をビニールで覆い、いよいよラバーカップでスポスポやってみました。「やり過ぎでは?」と自分でも思うぐらいに念入りにスポスポしたあと、排水ボタンを押してみると、あら不思議!直ってしまいました。
その時はじめて、INAXに感謝するとともに、ラバーカップの威力に恐れ入ったのでした。私が子供の頃から変わらぬ形のまま今も活躍するシーラカンスのような道具ですが、逆に言うと、排水事情というか、そういった技術の進歩が遅れているということなのでしょうか。なにはともあれ、トイレの無い生活から思ったより早く解放されることになって良かったです。しかし、トイレの無い生活というのは、なかなかスリリングでした。
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