「魔王」と「呼吸」という章で構成されています。魔王の主人公は青年、呼吸の主人公は、その青年の弟と、その彼女です。彼らは、ごく普通の生活を送っている人々なのですが、日本が独裁者のような強いリーダーシップを発揮する政治家の手に掌握されていくことを危惧しているうちに、不思議な能力を持ちはじめます。読んでいて、なんとなく、村上春樹さんの1Q84を思い出しました。
小説の中では、憲法9条の話が出てきたり、隣国との関係について書いてあったり、「あれ?これって最近の小説なのかなぁ?」と思うような内容が多いのですが、「小説現代」に発表されたのは、2004年12月とのことです。約13年前から世の中は、あまり変わっていないんだなぁということを感じました。
最後のページに近付くにつれ、「あれ?この物語の展開と残りのページ数から考えて、とても話が収束するとは思えないが・・・。いったい、どう着地させるんだろう?」と思いながら読み終えました。ちょっと消化不良気味かなぁ(笑)
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