入社する際の面接で、「これまでに読んだ本で最も印象に残っているのは?」と訊かれたことがありました。いつの時代にも、そんなことを訊かれる場面があるのかもしれませんね。ちなみに、私は、檀一雄さんの「白雲悠々」と答えました(こちら)。なんとなく檀さんのカラっとして包容力のある人柄が表れているような気がする小説です。もちろん、檀さんはずいぶん昔に亡くなっているので、どんな方かわかりませんが、エッセイなど、いろんな小説を読んでいると、とても魅力的な方だったんだろうなぁということを想像させられます。最後の無頼派と呼ばれることもあり、今の時代だったら、SNSが大炎上したり、文春に書かれるようなことをいっぱいされていますが、そういうことを自ら小説に書いてもいます。昔の小説家の中には、そうやって普通なら秘密にしておきたいことを世間にさらしている方もいて(と言うか、小説の題材とするために、そういうことをしていたのではないかとも思われますが)、よほど精神的にタフじゃないと耐えられなかったのではないかと思います。文字通り、命がけで小説を書いていたんでしょうね。
白雲悠々は、子供の健康のことなど、心配ごとがありながら、そういことを妻に任せて逃げてしまうことが描かれていて、まぁ、とんでもない人なのですが、それでも、どこかに清々しさや温かさを感じる不思議な小説です。
そんな曖昧な解答だと点数が悪そうですね(笑)
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