あれこれと

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真保裕一さんの「ストロボ」を読みました

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一人のカメラマンが主人公の小説です。5つの短編から構成されていますが、変わっているのが、5章からはじまり1章で終わることです。そして5章が50歳、4章が42歳、3章が37歳、2章が31歳、1章が22歳と、年齢がさかのぼっていくところが面白いところです。読者は、5章で、この主人公の男性が、ある程度のステータスを得て、アート性のある写真よりも、商業的なことを考えて写真を撮っていることを知ります。ある日、若い頃に写真を撮って貰ったという女性から、もう一度写真を撮って貰いたいという依頼を受け、それがきっかけで、若い頃の情熱がよみがえってきます。そして、4章、3章とさかのぼっていくと、いつ頃から、商業的なことを考えるようになったのかや、若い頃、どれほどの情熱を持って写真を撮っていたのかということがわかっていくという仕掛けになっています。
それぞれの短編の内容も面白かったです。それぞれ、「なぜなんだろう?」という出来事があり、主人公が、その答えを求めていくという構成になっていて、どこかサスペンス的な部分も感じさせます。
22歳の頃が学生運動の終盤という時代設定ですので、50歳の頃は、21世紀に変わる前後ぐらいでしょうかね。ということで、登場するカメラは、フィルム式です。デジカメを使っている私には、ISOの設定なんかはカメラで行うのが当たり前だと思っていますが、昔は、フィルムで選択していたんだなぁということを思い出したりしました。また、645というカメラが登場するのですが、私は、645と聞くと、PENTAXの645Zという大型の撮像素子を持つプロ向けの高級デジカメのことを思い浮かべますが、調べてみると、それ以前に、フィルム式のカメラがあったんですね。さらに調べると、初代の645は1984年に発売され、マニュアルフォーカスだったそうですが、1997年に発売された2代目からはオートフォーカスになったそうです。ということで、5章は1997年頃だということがわかったりします。私は、それほどカメラのことは詳しくありませんが、カメラ好きの方には、そういう点も面白いのではないかと思います。

 

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