
7つの短編からなっています。最初の2つの短編を読んだ時は何も感じなかったのですが、3つ目の短編を読み始めて、すぐに、「あれ?この小説、前に読んだことがあるような・・・」ということに気が付き、2ページ目ぐらいで「絶対、読んだことがある!」と、確信しました。それぐらい印象に残っていた作品だということなのでしょうね。「潮騒」という作品なのですが、病院で余命を宣告された男性が、その足で、子供の頃に過ごした街をなんとなく訪れるという内容です。この小説を読んだのが、いつだったのか全く思い出せないのですが、自分のブログに書いていないということは、ブログをはじめる前なので、10年以上は前ということになります。その頃は、自分にとって、癌は身近な病気ではありませんでしたが、その後、自分の身近な人に次々と癌が見つかり、その度に、自分も癌について勉強して、そして一緒に病院へ行って先生の話を聞いたりして、すっかり身近な病気となりました。そんなことがあったので、この小説のことが記憶に残っていたのかもしれません。
この小説では、余命を宣告され、ショックを受けながらも、残される家族のことを心配する気持ちや、逆に、心配させまいとする家族側の気持ちなど、それぞれの優しさが会話の端々から溢れていて、とても切なくなるのですが、でも、死とはそういうものなんだよなぁと気付かされます。
ドラマ化も映画化もされているようですが、映像を見なくても、小説を読むだけで、情景が浮かんでくる、素晴らしい小説だと思います。それにしても、最初の2つの短編を読んだ時に、「前に読んだよなぁ」と、思い出さなかったのはなぜだろう?
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