これは電車の中で読むと、私の視力では、ほとんど何が書いてあるかわかりません(笑)
ネットで見ても、よく読めませんが、そういう方のために、この問題に限ってはテキスト形式でも表示されています。文章は以下のとおりです。
(略)
あきは、たしかに、この答えはまちがいだとおもう。あきは、もういちど、算額の問題をよみなおした。
「今、半円ノ内ニ、図ノ如(ごと)キ〈注:ような〉勾股(こうこ)形(直角三角形)トニ円アリ……」
それは、半円に直角三角形を内接させ、この直角三角形の内接円と、弓形内にえがいた最大の円があいひとしいときの外接円〈注:外側の円〉と小円の半径の関係を問う問題である。
三之介は小円の半径を四寸〈注:約十二センチメートル〉として、外接円の半径を一尺二寸〈注:約三十六センチメートル〉という答えをだしていた。
あきは、この問題をまえに父からだされて解いていた。そして、このばあい、小円の半径の十三倍が、外接円の半径の四倍にひとしいという関係がなりたつことをたしかめている。
小円の半径が四寸ならば、外接円の半径は、一尺三寸でなければならない。三之介のだした答え 一尺二寸は、あきらかにまちがいである。
あきはそれを、小声ながら、はっきりとしたことばで説明した。
「なに?」
三之介は、はじめ、冷たくわらって、あきのことばをきいていたが、とちゅうから顔が青ざめてきた。
三之介も、算額をあげるほどの自信のもちぬしであった。その学力はかなりの水準に達しているので、あきの指摘(してき)に、じぶんのまちがいをすぐ気づいたらしい。くちびるをかみしめて、問題をにらみつけていた。
青山が、おどろいてささやいた。
「水野、まさかあの娘のいうことが正しいのではないだろうな」
「いやあ、それが、どうもおかしいのだ。いや、どうもよくわからなくなってきた。頭痛がする。平左、この額は当分かかげないように、寺にいっておいてくれ。あとはたのむぞ。青山、ゆこう」
そそくさと、人ごみの中へまぎれいった。
(略)
これって、国語の問題なのか?という気がしますが、「半円に直角三角形を内接させ」なんてのは、「内接」という言葉の意味と、「に」「を」という格助詞が理解できていないと、何を言っているのかわからず、「半円を直角三角形に外接させ」ている絵を想像してしまうかもしれませんね。ということで、算数だけではありませんが、ものごとを理解する上で、国語って大事なんですよ!ということを示す良い問題かもしれませんね。
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