あれこれと

北海道に関するホームページを作ったけど、いまいち訪問者が増えないので、ブログを立ち上げて、こちらを経由してホームページを訪問してくれる人が増えるといいなぁと。なので、こちらではテーマもなく、北海道とも無関係なことも書いていきます。こちらのブログを見た方は、リンク先のホームページ「いつでも北海道に行きたい!」も見てみて下さいね!

沢木耕太郎さんの「凍(とう)」を読みました

本屋で沢木さんのコーナーを見ていたら、この題名が目に止まり買いました。内容紹介に、ある夫婦のヒマラヤでの壮絶な登山行だということが書いてあり、「あぁ、以前、テレビで見たあの夫婦のことだな」と思いながら読んでみると、その通りでした。

私がテレビで見た、その山野井さんという夫婦は、著名な登山家で、夫は凍傷で手足の指10本を失い、奥さんのほうも、足の指2本を残し、両手両足の指18本を失っているにもかかわらず、二人とも登山を続けていることを紹介する番組だったと思います。その指を失うことになった登山行での一部始終が詳細に描かれています。非常に酸素が少なく、悪天候が続く極寒の世界で、いかにして行きぬくかという選択を繰り返す様が、臨場感たっぷりに描かれていて、読んでいるだけで息苦しくなるようです。

本を読むまで知らなかったのですが、登山というのはお金がかかるものだと思っていたのですが、それは大所帯で登山する極地法や包囲法という登り方の場合のようです。

「極地法、包囲法では、まず大規模な登山隊が現地に乗り込み、大人数のポーターや動物を使ってベースキャンプまで大量の荷物を運ぶ。さらに、高所ポーターの助けを借りて、前進キャンプを設営しながら荷物を上げていく。その間、難しい箇所にロープを張るなどのルート工作をし、可能なかぎり頂上に近い地点に最終キャンプを設ける。そして、頂上へのアタッカーに選ばれた数人の隊員が最終キャンプまで上がっていき、登頂を目指す。(以上、「凍」からの抜粋)」とのことです。一方で、山野井泰史さんはアルパインスタイルと呼ばれる、ベースキャンプを出た後は、ポーター等の手は借りず、少人数(ほとんどはひとり)で、無酸素で登頂するスペシャリストだそうで、当然、運ぶ食料や荷物も少なく、スポンサーを必用とするほどのお金はかからず、自費で登山してきたそうです。ということで、テレビに出る必要性もないため、日本での知名度は低いですが、クライマー界では有名な方だそうです。さらに妻の妙子さんも女性だけで8千メートル級の山のバリエーションルート(難しいルート)をアルパインスタイルで登頂した初めての方だそうで、やはりすごい登山家だそうです。

本を読み終わってから、ネットで山野井さんについて調べてみると、外見は普通の方で、ブログを読んでみても、とても普通なので、とても困難を極めた登山から生還した方のようには思えませんが、そのへんの山を登っただけでも言葉が出なくなってしまうぐらいヘロヘロになってしまう私から見ると、超人でありながら、普通にしている佇まいというか生き様というか、そういうところに畏敬の念を抱かずにはいられません。

小説の最後に、二人が遭難しかけたヒマラヤのギャチュンカンのベースキャンプに、その時やむなく置いてきてしまった荷物(ゴミ)を、2年後に拾いに出かける場面があり、それに1人の男性が同行しているのですが、それが実は沢木耕太郎さんだそうです。なんか意味ありげな人物だなぁと思ったら。沢木さんの小説には、こういうノンフィクションものも多いですが、文章が上手いだけではなく、かなりの取材と膨大な情報収集をしているんだろうなぁということが容易に想像できますね。小説家も登山家も精神的にタフなんだろうなぁ。

 

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凍