先日、3562という伊坂さんのエッセイを読んだばかりですが、次は小説を読んでみようと思い買ってみました。
4つの短編から構成されています。どの話もちょっと怖いような場面が出てくるのですが、登場人物が少し間が抜けているようなところがあって、どこかホンワカした気分になります。個人的に気に入ったのが、本のタイトルにもなっている「フィッシュストーリー」です。売れないバンドが、渾身の一曲を作り、その中である理由から無音部分を敢えて入れたことが、のちのち、ある人の人生を大きく変えることにつながるという話です。商業的には成功しなかったかもしれないけど、本人も知らないところで、世の中を変えていたというところに、夢があるというか、ジ～ンとしたものを感じました。この話の中で、ビートルズの曲で、「犬にしか聞こえない周波数を使った」という会話が出てきます。ということで調べてみると、A Day in the Lifeに、たしかに、そういう部分があるようです。Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Bandのアルバムを聴いたことがある方は、A Day in the Lifeの最後に「ジャ～ン」というピアノの音が響き、しばらくすると、なんだかヘンテコリンな人の声が繰り返し流れながらフェードアウトして行くのをご存知かと思いますが、そのジャ～ンという音からヘンテコリンな声の間に、高周波のパルス音が入っているようです。そのあたりの挿話を持ち出してくるあたりも、音楽好きな伊坂さんらしいところですね。
A Day in the Lifeはこちら（Youtubeです。ジャ～ンで終わってしまっています）
こちらのホームページもご覧下さい⇒いつでも北海道に行きたい！
