小説のタイトル「炎の経営者」とは、㈱日本触媒の二代目社長である八谷泰造さんのことです。八谷さんは、富士製鉄(のちに八幡製鉄と合併し、今は日本製鉄)の社長である永野さんに出資をお願いしようと、同じ電車に乗って、直談判するところから小説は始まります。その後も、順風満帆というわけにはいかないながらも、自社の技術にこだわり、石油から新しい材料を作り続けて行きます。
この小説に記者が登場するのですが、それが実は若き日の高杉さんとのことで、実話を書いているそうです。新婚旅行の途中にインタビューに訪れたことや、それを知った八谷さんから、夫婦揃ってご馳走になったことなど。豪快であり、だけど細やかな気遣いをされる方だったそうで、その人柄に魅せられた方も多かったのではないかと思います。高杉さんも、きっと、そんな一人だったのではないかと思います。この小説からは、八谷さんの人となりを読者に知って貰いたいという熱意のようなものが溢れているように感じました。
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