最近、よく高杉良さんの小説を読んでいるなぁ。池井戸潤さんとも共通するのですが、実際の出来事をモデルにしている小説が多く、そして悪人を本当に憎たらしく描くのが上手なんですよね。読み手としては、「誰か成敗してくれ!」と、思いながら、事の成り行きが気になり仕方がないといった感じで、どんどん読み進めてしまいます。
この小説も、通産省の人事をめぐる抗争がモデルになっています。政治家なんかは実名で書かれたりしていますが、wikipediaを見ると、通産省の人は、実際の名前から、ちょっと文字を変えているようですね。
内容は、通産省の産業政策局長で、その優秀さは、30年に一人とか100年に一人と言われる人物が、いわれのない理由で窮地に立たされるというものです。その理不尽さを、若い官僚の卵の目線から描いています。前半は、そこまでに至る伏線ということになるのですが、人の名前を覚えるのが苦手な私にとっては、登場人物が多くて、なかなか辛かったです。ただ、終盤は、さすが高杉さん!といった感じの憎たらしい人物がいっぱい出てきて面白かったです。一方で、組織って、なんなんだろうなぁということを少し考えさせる小説でもありました。
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