あれこれと

北海道に関するホームページを作ったけど、いまいち訪問者が増えないので、ブログを立ち上げて、こちらを経由してホームページを訪問してくれる人が増えるといいなぁと。なので、こちらではテーマもなく、北海道とも無関係なことも書いていきます。こちらのブログを見た方は、リンク先のホームページ「いつでも北海道に行きたい!」も見てみて下さいね!

曽野綾子さんの「至福」を読みました

この本は有名人でもなんでもない普通の人の云わば伝記ということで、10の短編それぞれに別の人物の物語で構成されています。まえがきを読むと、実際にそういう人がいて、その人のことを書いているというわけではないようですが、私達の周りにもこういう人達っているよね、あるいは自分にもそういう一面があるよねということを、ある人物の人生に置き換えて語っているようにも思います。

個人的には、「面白いなぁ」とか「なるほどなぁ」とか思うことはありませんでしたが、もしかしたらそれは作者の意図したことを読みとる力が私に無いからなのかもしれません。なぜそう思うかというと、なぜ至福というタイトルなのかがイマイチわからないからです。人生が人の数だけあるように、幸福感も人それぞれであって、それは他の人の価値観では決して量れないものなんだよと言っているのかなぁとも思いますが、それを示唆するような話ばかりでもなかったような気もしますし…。

10の話の中で最も印象に残ったのは、ひょうたん風邪というもので、ある僻地にある村では、ある人が自殺すると、流行のように立て続けに自殺する人が出てきて、それを地元では、ひょうたん風邪と言うというものです。なぜ、ひょうたんかというと、縊死した姿がひょうたんに似ているからとのこと。これはちょっと不気味な話で、結局、自殺した原因というのは、残された家族や友人にもよくわからず、皆、「昨日までは来年の話をしていたのに…」ということになります。

他の人には、不幸にしか見えないその行為ですが、本人にとって、その行為が最善であるなら、それは至福ということを極端な例えで語っているのかなぁとも思いましたが、その解釈にはちょっと無理があるなぁ。

ということで、私の読解力に問題があるのかもしれませんが、個人的にはあまり面白い本ではありませんでした。


曽野綾子