電車の中で読もうと思ったのですが、小さい文字がいっぱい並んでいるのが見えただけで内容までは見えませんでした。で、ホームページで見てみて、設問はともかく、被災地では、そんな問題があったんだということを初めて知りました。以下が文章です。
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2011年4月中旬から5月の連休にかけて避難所を訪れ、調査をして私たちが見たものは、体育館の床に、布団一枚のスペースしか与えられず、間仕切りもなく、人々が密集して雑魚寝をしている避難所の風景でした。食べ物も、ボランティアの炊き出しがない普通の日は、菓子パンとおにぎりだけ。栄養価は著しく偏っていました。
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私たちはこうした避難所の実態について、次々にステートメントや報告書のかたちで発表し、メディアに送ったり、周囲で共有したりしました。ツイッター、フェイスブックが普及し始めた時期で、こうした情報はあっという間に市民の間で共有され、リツイートやシェアをされ、活用されました。
当時、様々な支援団体が活動していましたが、多くの団体は当然ながら自ら支援を行うのに手いっぱいのようでした。支援のあり方に問題がある、行政はもっと対応すべき、という「政策提言型」NGOは少なかったのです。そこで私たちは政府交渉の場に参加したり、メディアに働きかけたりして、問題を共有し、支援の改善を政府に求めました。
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2011年夏から冬にかけて、避難者の多くが仮設住宅に移行しました。しかし、多くのお年寄りは最後まで避難所に残っていました。仮設住宅に移行した途端、食糧、医療、移動支援を打ち切るという国の政策が影を落としていたのです。「仮設住宅に行くと自立しなくてはいけない。避難所にいれば食べさせてくれるのでここにいたい」というのです。
夏になってもクーラーもない。蒸し暑い劣悪な環境の避難所にお年寄りだけが取り残されているのを見ると心が痛みました。災害弱者ほど避難所に長く生活せざるを得ない状況だったのです。そして、お年寄り、障がいを持つ方など最後になって仮設住宅に移動した方ほど、後から建てられた、人里はなれた、劣悪な環境の仮設住宅への入居を余儀なくされたのです。仮設住宅には歴然たる格差がありました。
2012年2月、私はあるジャーナリストから「気仙沼の仮設は大変なことになっています」と聞き、2週間後には、宮城県気仙沼市に調査に行っていました。そこでは、人里はなれた山の上に56世帯を収容する仮設住宅があり、このうち36世帯が独居でそのほとんどがお年寄りでした。
問題は
環境のよくない仮設住宅は「お年寄り」の問題を解決・改善するためにおこなったらよいと考えることを100文字以内で書きなさい。
というものです。
熊本でもそうでしたが、芸能人などの有名人が炊き出しに行ったということは、すぐにニュースで取り上げられますが、こういう問題は、なかなか取り上げられませんからねぇ。もしかしたら、取り上げている番組もあったのかもしれませんが、そういう番組を「見るぞ!」と思って見る人以外の目に触れる機会は少ないのではないかと思います。
こういう話を知ると、政府、メディア、国民が、皆、同じベクトルを向いてるけど、その方向がヘンテコリンな向きなような気がしますね。
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