別に親戚でもなんでもないのですが・・・。
このブログで何度か取り上げていますが、檀一雄さんの小説が好きです。
大学の授業で、無頼派ばかりを取り上げた講義があり、そこで、檀さんの「白雲悠々」という小説に出会いました。内容は、ダメなお父さんぶりを描いたものなのですが、どこか温かみを感じたり、広さやのびやかさを感じるところがいいなぁと。それ以来、檀さんの小説を探して読むようになりました。当時は、まだ本屋さんに、檀さんの作品がわりと並んでいましたが、最近は、代表作「火宅の人」以外は、あまり見ることがないのが残念です。
今回、柳川へ行ったので、せっかくだからと、檀さんが眠るお墓へ行ってみました。場所は、柳川市奥卅町の福厳寺にあります。実は、だいぶ前にも行ったことがあるのですが、その時、どうやってお墓を見つけたのか全く思い出せず、今回は、とりあえず墓地を歩き回って探しました。実は、墓地の入口付近にあることも知らず・・・。
前に見た時は、墓碑に刻まれた文字がよく見えなかったのですが、今回、白く塗られて読み易くなっていました。
石ノ上ニ雪ヲ 雪ノ上ニ月ヲ ヤガテ 我ガ 殊モ無キ 静寂ノ中ノ憩ヒ哉
どういう意味だろう・・・。
その裏を見ると、お墓に眠る人達の名前が刻まれていました。小説「リツ子 その愛」「リツ子 その死」に描かれた最初の妻であるリツ子さんを筆頭に、白雲悠々にも描かれている、早くに亡くなった息子の次郎さん、そして一番下には、沢木耕太郎さんの小説「檀」で語り手として描かれた妻のヨソ子さんの名前が刻まれていました。
話は変わりますが、今、ドラマ「セミオトコ」に出演されている檀ふみさんは、檀一雄さんの娘さんです。檀ふみさんのエッセイにも、度々、お父さんとの思い出などが描かれています。我々が檀一雄さんのエッセイなどから想像する人物像と、ふみさんのそれとは随分違っていますが、それでも人として温かみを感じるんですよねぇ。
本屋さんでは見ることがなくなった檀さんの作品ですが、Amazonでは買えますので、興味のある方はぜひ!
こちらのHPもご覧下さい⇒いつでも北海道に行きたい!