職場の後輩からすすめられて読みました。
2007年の名古屋市営地下鉄延伸工事の受注に伴うゼネコンの談合事件を題材にしているそうです。主人公は準大手ゼネコンの正義感に溢れる若手社員です。彼は現場での勤務から、突然、業務課へ異動を命ぜられ、そこで、建設業界に延々とはびこる悪しき習慣を目の当たりにします。彼が、仕事や様々な人との出会いや出来事を通じて、成長していく姿が描かれているという点に清々しさを感じる一方で、工事の受注をめぐる各社の幹部達の駆け引きでは人間の腹黒さが描かれていて、どちらか一方では物足りなく感じるところを、両者を描くことで小説全体としてのバランスがうまく取れているのではないかと思います。そのあたりの上手さは、さすがだなぁと思います。
それにしても、今年は、池井戸さんの小説が、そのまま現実になったようなニュースが多かったですね。
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