三浦綾子さんの小説はだいぶ読んでいますが、まだ読んだことがなかったこちらの本をブックオフで見つけたので読んでみました。
内容は小林多喜二の母親が、取材を受けるような形で、誰かに対して自分の人生について語るという設定になっています。秋田弁で語られているため、初めは少し読みづらいですが、だんだん慣れていきました。
自分の生い立ちから始まり、だんだん子供達のことに話がシフトしていき、後半は、ほとんどが多喜二についての話になります。そして、最後は三浦さんらしく、キリスト教に絡めて締めくくられます。
あとがきを読むと、この小説を書くようにすすめたのは旦那さんだったそうですが、はじめは、あまり気乗りしなかったそうです。というのも小林多喜二のことを、そもそもよく知らなかったので。ですが、「多喜二の母は受洗した人だそうだね」という旦那さんの一言で書くことに決めたそうです(ただ、小説を読むと、クリスチャンではなかったようですが)。
あとから知ったのですが、この小説は3年ほど前に映画化されていたんですね(こちら)。今の時代に、こういう話を映画化しても商業的には、なかなか成功しないのかもしれませんが、映画化したいという気持ちもわかるような気もします。
私が最も興味を持ったのが、多喜二のおじが、小樽でパン屋さんを開業し、それが大成功し、それを頼りに、多喜二たちも秋田から小樽へ引っ越し、多喜二の母もパンを売っていたというところで、「もしかして、小樽にある、あのパン屋さんのことかなぁ」と思って調べてみました。私が思ったパン屋さんではなかったのですが、そのパン屋さんは、今は苫小牧にあるそうで、なんと、あの強烈な甘さで有名(?)なお菓子「よいとまけ」を作っている三星なのだそうです。北海道に行ったら寄ってみるぞ!
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