あれこれと

北海道に関するホームページを作ったけど、いまいち訪問者が増えないので、ブログを立ち上げて、こちらを経由してホームページを訪問してくれる人が増えるといいなぁと。なので、こちらではテーマもなく、北海道とも無関係なことも書いていきます。こちらのブログを見た方は、リンク先のホームページ「いつでも北海道に行きたい!」も見てみて下さいね!

檀晴子さんの「檀流クッキング入門日記」を読みました

f:id:okka4:20210228190815j:plain

久しぶりに檀一雄さんの本が読みたいなぁと思い、ネットで探していたら、こちらの本が昨年出ていることを知り、今回は横浜市立中央図書館で借りました。検索機で調べて、「あれ?ここにあるはずなんだけどなぁ」と、何度も何度も探したのですが見つからず、仕方がないので窓口へ行って、「この本が見つからないんですけど・・・」と、情けない顔で言うと、その方は、私が探していたのとは全然別の方向へ進んでいき
「あっ、ありましたよ!見つかって良かったですね」
「ありがとうございます!」
わざわざ一緒に探して下さり、そして自分の探し方が悪かったから見つからなかったにもかかわらず、「見つかって良かったですね」という優しい言葉をかけて下さって。その方を好きになりそうになりましたよ(笑)
檀一雄さんは、女優の檀ふみさんの父親で、檀晴子さんは、ふみさんの兄である太郎さんのお嫁さんです。因みに、太郎さんもエッセイストで、以前、ソラシドエアに乗った時、その機内誌にもエッセイを連載していました。
檀一雄さんは火宅の人が代表作として知られていますが、プロ並みの料理の腕前でも知られていて、料理に関するエッセイも多く、「檀流クッキング」も、そのうちのひとつです。この「檀流クッキング入門日記」は、本家の「檀流クッキング」には及ばないけど、その入門編ぐらいのことは書きますよという作家のユーモアの表れでもあるのかなぁと思います。
檀一雄さんとの思い出が、いろいろと書いてあるのかなぁと思いましたが、それは始めのほうと終わりのほうだけで、あとは、晴子さんご自身の料理との関わりや料理に対する考えが、軽快なタッチで描かれています。ですので、あまりレシピっぽいものでもなく、料理を題材にしたエッセイとして楽しめる本だと思います。印象的だったのは、お菓子作りがあまり好きではないというところで、それは、お菓子作りが本に書いてある通りに、きっちりとした分量、時間で作らないと美味しく出来上がらず、上手く出来上がっても、決して、お店の味を超えるものではなく、なかなか自分の色を出すことが難しいという趣旨のことを書かれていたところです。そこは、さすが檀家に嫁いだ方だなぁと感じました。私だったら、本に書いてあるとおりに出来上がったら喜んでしまいます。それほど料理下手なので(笑)
檀一雄さんは、「最後の無頼派」と言われるだけあって、やることなすことが豪快です。ご自身の本でも書いていますが、ちょっと買い物に行ってくるわ~と家を出たまま、数日帰って来なかったり、そうかと思えば夜中に大勢を連れてきて、いきなり宴会が始まったりと、ご家族はさぞかしたいへんだったんでしょうね。人をもてなすことが大好きだったそうで、見ず知らずの人も上がりこんできて、その宴席に加わっていたりすることもあったとか。そういうことがしょっちゅうあり、晴子さんも、お客さんをもてなすための料理作りを手伝わざるを得ず、そこで「檀流クッキング」を覚えたそうです。
火宅の人だけ読んで、檀一雄さんはとんでもない人でなしと思っている方もいるかもしれませんが、いろんな本を読んでいると、その文章から、とても温かみを感じます。この本の中でも、その一端をうかがわせるエピソードが紹介されています。執筆活動で忙しく、家にほかの人がいないときに、はじめて晴子さんが食事を作ることを頼まれたそうです。まだ料理が未熟だった晴子さんが困っていないか心配して、忙しいながらも何度も調理するところを見に来たそうです。そういう豪快だけど優しいところが人を惹きつけたのでしょうね。

 

こちらのHPもご覧下さい⇒いつでも北海道に行きたい!