あれこれと

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今野浩さんの「工学部ヒラノ教授」を読みました


OR(オペレーションズ・リサーチ)の第一人者である、今野さんの体験に基づき、工学部の内情を描いた本です。私も工学部出身なので、本の題名が気になって買ってみました。
今野さんは、筑波大、東工大、中央大にいらっしゃったそうで、私が大学生だった頃には、東工大の教授だったようですが、学校も違うし、同じ工学部でも、研究分野が異なるので、全く接点はありませんでした。ただ、「あぁ、そうだったっけなぁ」ということもあり、どこの大学も似たようなものだったのかもしれません。
自分が学生の頃は、研究費がどうとか考えたことはありませんでした。企業との共同研究なども、まだまだ少ない時代で、せいぜい科研費を貰っている研究があり、「なんとか成果を出さなくては」というプレッシャーを受けていた友人を「たいへんそうだなぁ」と見ていた程度だったような。学生の苦労はそんな程度で気楽ですが、先生は研究費を確保するために苦労が多いんだなぁ。
研究テーマについても触れられています。今まで先生の立場から考えたことがなかったですが、毎年、何かしら学生にテーマを与えないといけないわけですから、たいへんだったんだろうなぁということに、今頃、気がついたという・・・。私の場合は、先輩(博士課程の「ドクター」と呼ばれる人)から、複数のテーマ候補とその簡単な説明文が書かれたA4用紙数枚を渡されて、「この中から好きなの選んで」と言われ、そこから選びました。私は、漠然とレーザーを開発するための実験みたいなことがしたかったのですが
「レーザーを使う実験はあるけど、そのもの自体を開発するような実験はないよ」
「シミュレーションなら、そういうテーマがあるけど」
ということで、シミュレーションをすることになりました。ただ、レーザーの開発というよりは、その前段のシミュレーション手法の開発みたいな内容だったので、「騙された・・・」と思っていました(笑)
話はだいぶそれましたが。その後、大学の大変革があり、研究費を確保するために、だいぶ苦労していることを、今は大学の先生をしている後輩達から聞いていましたが、その理由も、この本を読んで「なるほどなぁ」と理解できました。
それから、学長選挙のことが書いてあって思い出したのが、自分の研究室の先生も、(学長ではなく)学部長選に出て、なんとなくピリピリした雰囲気があった時期があったなぁということ。先生は、「こういう大学にしたい」という理想があって、たまに我々学生にも語っていました。残念ながら、学部長にはなれなかったのですが、その数年後に、別の大学へ行き、そこで学長になりました。
ということで、この本を読んで、今まですっかり忘れていたことを、いろいろ思い出したり、学生は面倒なことを気にせず研究だけしていればよかったので楽だったんだなぁということに今頃、気が付きました。
なお、作家の今野さんは昨年亡くなられたそうです。そして、私の大学時代の先生は今年亡くなりました。お二人のご冥福をお祈りいたします。

 

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