先日、U express liveというライブに行って思いがけずトッドラングレンが歌う姿を見ることができ、「そう言えば久しくトッドラングレンを聴いていなかったなぁ」と思い、いろいろ聴きたくなってきました。
トッドラングレンを知ったのは高校生の頃で、当時、ＦＭ横浜でパーソナリティを務めていた杉真理さんが紹介した番組でのことでした。その番組のタイトルはマジカルポップツアーという名前で、その名前が示すとおり、ビートルズの大ファンの杉さんが、杉さんらしい曲を流したり、楽しいおしゃべりをしたりという内容で、「今日のビートルズ」というコーナーがあり、毎日、１曲はビートルズの曲が流れていました。
ある日、その番組でトッドラングレンの特集を組んだのをたまたま聴き、「な、なんだこのビートルズっぽいサウンドは！いいなぁ」と思ったのでした。そのとき紹介したのは、トッドラングレンが中心になって結成していたユートピアというバンドの作品で、原題は「Deface the Music」というアルバムですが、邦題は「ミート・ザ・ユートピア」というビートルズを意識した作品です。というか、ビートルズっぽい曲に敢えて仕上げたアルバムで、「あっ、これはEleanor Rigbyを意識した曲だな」とか「これはFixing a holeだな」と楽しめるのです。その番組の中では、杉さんがたまたまスタジオに入っているトッドラングレンを目撃し、ソファーの上かなにかでピョンピョン飛び跳ねる姿を見て、やっぱりちょっと変わった人だと思ったというようなことを話していたような気がします。で、そのあと、そのスタジオに入ったらピックが落ちていたので、きっとトッドのものに違いないと思い、貰って帰ったような話もされていたかと。
また、スターダストレビューの根本さんだったと思いますが、やはりラジオでトッドを特集していて、その中で、トッドラングレンの容姿について、「ビヨーンと顔が長い」と紹介していました。
というように、トッドラングレンは、ミュージシャンが特集を組みたくなるほどの人物で、しかもかなり特徴的な顔の人だと聞いて、興味を持ち（もちろん、ラジオで紹介された曲が良かったことが大前提にありますが）早速、関内のディスクユニオンに行きました。
お目当てのアルバムは、杉さんが紹介したユートピアのDeface the Musicと、トッドのA Cappellaという作品でしたが、どちらも置いていなかったので、とりあえずユートピアの「Oops! Music Planet」というアルバムを買って帰りました。その後も、少しずつアルバムを買いましたが、結局、最初に買おうと思っていたDeface the Musicを買ったのは10年も後（しかも台湾で）、A Cappellaに至っては約四半世紀後の先週でした・・・。
Deface the Musicは、先に書いたようにビートルズに似せた曲を作り、それだけで構成した遊び心あふれる作品ではありますが、遊びとは言いながら、その完成度はさすがトッドラングレンというものです。
A Cappellaは、ラジオで初めて聴いたとき、「なんじゃ、こりゃ！」と衝撃を受けた作品でした。そのアルバムタイトルのとおり、アカペラによる曲を集めたものなのですが、普通のアカペラではなく、自分の肉声を録音し、それをベースやドラム、キーボードなどの楽器風に加工したものをバックに、ボーカルがあるというもので、今では、比較的簡単にそういうことができるのでしょうが、1980年代に聴いた時は衝撃的でした。
今回、トッドラングレンの曲を聴きたくなり、ネットでいろいろ調べていると、wikipediaに、女優のリヴ・タイラーの育ての親と書いてありました。それを知って、なんだかさらにすごい人のように思えてきました（笑）
トッドラングレンの作品は、上に書いたようにかなりマニアックなものがあるので、必ずしも自分の好みに合うものばかりとは言えないのも事実です。このブログを読んでトッドラングレンに興味を持った方に、まずおすすめするのは、Singlesというアルバムです。2枚組みで、1980年代前半までのシングル曲を集めた作品ですが、とてもメロディアスで聴きやすい曲ばかりで仕上がっています。レンタル屋にも置いてあるかもしれませんし、Amazonや中古CD屋などで1000円ちょっとで買えると思いますよ。
「Deface the Music」ジャケットもビートルズっぽい！
「A Cappella」ジャケットだけ見ると買おうと思えませんね
「Singles」確かに顔がビヨーンと長いですね
