三浦綾子さんの塩狩峠を読みました。この本は入社したときに会社の推薦図書か何かだったので、その時に一度読みましたが、久しぶりに読んでもなかなか壮絶な話だなぁと思いました。
三浦綾子さんの本をはじめて読んだのはいつだったか忘れましたが、はじめは曽野綾子さんが三浦朱門さんと結婚した後のペンネームだと勝手に思い込んでいました(笑)
三浦さんの小説のほとんどには共通する部分があり、その一つが北海道を舞台とした作品であること、そしてもう一つはキリスト教を題材としていることです。三浦さんは北海道の出身で、生涯のほとんどを旭川で過ごされたので、北海道を物語の舞台とすることは自然ですし、またその先人の努力の結果として今の北海道があることを後世の人達に伝えたいという気持ちがあったのかもしれません。また、自身がクリスチャンであり、若いときから晩年に至るまで何度も大きな病を患い、それを乗り越えてきた体験があったからこそ、小説をとおしてキリストの教えを世に伝えたいという気持ちがあったのかもしれません。このあたりの特殊性があるため、三浦さんの小説を好きになれない人もいるかもしれませんが、私は好きでほとんどの小説を読んでいます。
三浦さんの小説は、かなりドラマティックな内容のものが多いのですが、その中でも塩狩峠は、読み終わった後に、かなり強烈な印象が残る作品です。というのも、この小説には実在のモデルがいるからです。単なるフィクションではなく、そういう人が実在したということを知ると、この小説を読み終わった後に、「同じ場面に自分が遭遇したらどうするだろう」とか「今の自分は職場でどういう存在だろう」などと、いろいろ考えさせられます。
さて、旭川には三浦さんの文学館があります。旭川駅から少し離れたところで、旭川と富良野を結ぶ国道237号線から少しわき道にそれた場所にあります。私は一度だけ行ったことがありますが、木々に囲まれたお洒落な家で、とても心落ち着く雰囲気です。喫茶室も中にありますので三浦綾子さんファン以外の方でも、ゆっくり過ごせると思います。もちろん塩狩峠の展示もあります。旭川に行く機会があれば、是非お立ち寄り下さい。
三浦綾子記念文学館の外観
塩狩峠の展示コーナー
塩狩峠の原稿のレプリカ