本の題名を考えないまま読み終えましたが、今、こうして振り返ってみると、「あぁ、そういうことか!」ということがわかりました(今頃か!)
藤田さんの本は、短編が多いですが、この本も8つの短編からなっています。そして、だいたい50代ぐらいの男性と、それよりも若い女性の関係が描かれています。
物語は、短編ごとに様々ですが、共通しているのが、主人公が、次への一歩を踏み出そうとし、「それでどうなるの!」というところで話が終わっているという点です。「その後の展開は、読み手の想像にお任せします」ということかもしれませんし、敢えて結末を書かないほうが、より印象に残るという効果を狙ったのかもしれません。はじめのうちは、どうも消化不良なような気持ち悪さがありましたが、本を読み進めて行くうちに、その展開にも慣れました(笑) そして、この本のタイトルが「前夜のものがたり」であることに気付き、「あぁ、前夜までの出来事だから、それで中途半端なところで終わっているというわけね。」ということがわかりました。
ということで、その後どうなったのかという結論がない短編ばかりなのですが、それを考える楽しみが読者に与えられたと思って読んでみるのも面白いかもしれませんね。
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