ブックオフの100円コーナーで、手頃なページ数と、今までに読んだことがない作家さんだったので購入しました。
とても不思議な小説でした。はじめは「短編小説なのかな?」と思い、次の章を読んだら、どうやら登場人物はつながっていて、さらに読んでいくと、章ごとに語り手が変わっていくことに気がつきました。
内容は、なにか大事件が起きるとか、そういうことはないんだけど、それぞれが日常生活の中で問題を抱えています。表面上は、なんでも隠し事なく話し合える仲良し家族のように振る舞っていながら、実は、それぞれのことがわかっていないというか無頓着というか自分のことしか考えていないというか。そういう変わった家族を客観的に見る人物を登場させたりしていますが、その人も、また、ある経験から、ちょっと変わった人生観を持っていたりします。
この小説の登場人物は、ちょっと極端かもしれませんが、私も含め、誰しも、そういう一面は持っているのかもしれないなぁとか、いろいろ考えさせられる小説でした。そして、たぶん技巧的というのか、ものすごく考えられた小説なんだろうなぁという予感はするのですが、どうして、そう思うかというところまで説明できないのは、私の読解力が至らぬためだという敗北感を感じました(笑)
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