あれこれと

北海道に関するホームページを作ったけど、いまいち訪問者が増えないので、ブログを立ち上げて、こちらを経由してホームページを訪問してくれる人が増えるといいなぁと。なので、こちらではテーマもなく、北海道とも無関係なことも書いていきます。こちらのブログを見た方は、リンク先のホームページ「いつでも北海道に行きたい!」も見てみて下さいね!

椎名誠さんの赤眼評論を読み「ムムム」とウナル

椎名誠さんを知ったのは、高校生の頃にNHK銀河テレビ小説という番組で、椎名さんの自伝的小説である新橋烏森口青春篇をドラマ化したものを見た時でした。主人公であるシーナ君を緒方直人さんが演じていて、シーナ君を取り巻く個性的な上司や同僚との少し変わった日常を描いた作品は、今でも断片的に覚えているほどに面白いものでした。

新橋の烏森口の改札を通る度に、この小説のことを思い出します。また、初めて、烏森口近くの小汚い飲み屋でホッピーを飲んだ時、「あ~、オレって、いま正しいサラリーマンだなぁ」と椎名さん的に感じたりしました。

大学に入ってから、本格的に椎名さんの本を読み漁るようになりましたが、その中でも好きなのは、新橋烏森口青春篇と、同じく若い日の自伝的小説である「哀愁の町に霧が降るのだ」、そして、息子とのかかわりを題材にした「岳物語」です。1990年代頃には、すごいハイペースでエッセイや小説などが次々と出版されていたように思いますが、個人的に好きなのは、上に挙げたように初期に書かれた作品が多いです。

そして、椎名誠さんってスゴイなぁと思ったのは「赤眼評論」を読んだ時でした。これは、身近なものや人などに対しての評論集といったものですが、椎名さんのことですから、評論の対象とするテーマも個性的ですし、普通の堅苦しい評論とは異なります。まず、最初のテーマが「ボールペン」なのですが、その書き出しが、いきなり「ボールペンはかなしい」ですよ(笑) 当然、「なんだ?なんでかなしいんだ?」となり、どんどんシーナワールドに惹きこまれて行くのです。

とてもバカバカしくて思わず吹き出してしまうような感想から、「なるほど、そういう見方もあるなぁ。スルドイ!」と感心させられることなどが、椎名さん独特の文体で綴られています。どれも身近な題材であり、「あ~、そうそう。その通り!」と同感する意見も多いのですが、だからといって同じように文章にしてみなさいと言われると、とても、こんなに面白い文章には出来ませんと答えるしかなく、椎名さんのすごさを実感することになるのです。だって、私には、目クソと鼻クソと耳クソのうち、どれが一番汚いかを評価しようという発想も湧いてこないし、その評価方法として、それぞれをフリカケにしてご飯を食べる拷問なんて到底思いつきません(笑)

椎名さんの本を読むと、その影響をモロに受けて、自分が書く文章も椎名さん的にくだけてしまうので、仕事でレポートを書く時などには困ってしまうのですが、あまり堅苦しいことばかり書き続けて、頭がカチコチになってしまったなぁと感じた時に、椎名さんの本を読むと、ちょうどバランスが取れて良いかもしれませんよ。

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