あれこれと

北海道に関するホームページを作ったけど、いまいち訪問者が増えないので、ブログを立ち上げて、こちらを経由してホームページを訪問してくれる人が増えるといいなぁと。なので、こちらではテーマもなく、北海道とも無関係なことも書いていきます。こちらのブログを見た方は、リンク先のホームページ「いつでも北海道に行きたい!」も見てみて下さいね!

宮本輝さんの「約束の冬」を読みました

宮本輝さんの「約束の冬」という小説を読みました。宮本輝さんは私の中ではファン度が高い作家だと言えると思います。と言っても新刊が出たら飛びついて買うというほどではありませんが(宮本さんだけではなく、ほかの作家についても、そこまでして本を買うほどの読書家ではないので)。古本屋へ行けば、たいてい「み」の名前で始まる作家の作品が置いてあるところに最初に行き、まだ読んでない宮本さんの本を見つけたら買うというのが一つの行動パターンになっています。

いま、wikipediaで宮本さんの全作品を確認したところ、まだ古本屋に並んでいないような新しい作品を除いては、ほとんどの小説を読んでいることに気がつきました。ということで、ファン度が高いと言えると思います(笑)

約束の冬も面白い小説でした。主人公は、50代の男性と30代の女性で、それぞれの日常が交互に描かれる中で物語が進行していきます。それぞれの主人公も魅力のある人間ですが、その家族や友人なども、年齢、職業やそれまでに歩んできた人生はまちまちですが、それぞれに魅力のある人間として描かれ、また、みんながそれぞれの人間に対し敬意を抱いて誠実に生きています。宮本さん曰く、だんだん日本人は幼稚化が進んできているので、こういう人間になって貰いたいという規範となるような大人の人間を描いたとのこと。

いつの時代でも、自分より下の世代はふがいなく感じるものでしょうが、特に生活様式が大きく様変わりした高度成長期の前後で、日本人がそれまで備えていた日本人らしさ(生真面目さや謙虚さ)を少しずつ失い、ネット社会の現代では、それがまた加速度的に失われつつあることに対して、終戦直後に生まれた宮本さん世代の人は、ふがいなさを通り越して危機感を持つのかもしれませんね。

そう言われて登場人物について思い出してみると、みな人生に迷い、遠回りしながらも、一歩一歩着実に、決して背伸びすることなく身の丈に合った生き方をしているように思われます。

この小説の中では、蜘蛛が風にのって遠くまで移動する話が重要なアイテムとして登場します。そういうことは知識としては知っていましたが、その姿は見たことないなぁと思ってネットで検索してみると、youtubeにその瞬間をとらえた動画がありました。蜘蛛の姿を見たいという人はあまりいないでしょうからリンクは貼りませんが。興味のある方は、「蜘蛛 ballooning」で検索するとヒットすると思いますよ。

また、今回、宮本さんの公式ホームページがあることも初めて知りました。時には、読者からの意見などに対して回答をいただける場合もあるようですよ。

宮本輝さんの公式ホームページ⇒こちら

f:id:okka4:20190706144219j:plain