あれこれと

北海道に関するホームページを作ったけど、いまいち訪問者が増えないので、ブログを立ち上げて、こちらを経由してホームページを訪問してくれる人が増えるといいなぁと。なので、こちらではテーマもなく、北海道とも無関係なことも書いていきます。こちらのブログを見た方は、リンク先のホームページ「いつでも北海道に行きたい!」も見てみて下さいね!

池波正太郎さんの「散歩のとき何か食べたくなった」を読みました


題名がいいですね。私は、たいてい「この店へ行く!」と決めてから外出するし、散歩するときも何も目的がないとつまらないので、無理やりにでも目的を作ってから歩き始めるので、ぶらぶらと歩いていて

「あ~、お腹空いたなぁ。あっ!良さそうなお店がある。入ってみよう」

ということは、ほとんどありません。逆に、散歩のときに何か食べたくなったので、そこにあったお店に入るような方は、生き方に余裕を感じるというか、ちょっと憧れも感じます。
この本の中では、池波さんのゆかりの地のお店が紹介されています。例えば、横浜では、「スペリオ」というカフェ、「博雅」という中華料理屋、「荒井屋」「竹うち」という牛鍋屋、「パリ」というバー、「根岸屋」という居酒屋(兼食堂)、「徳記」という中華街のお店が取り上げられていますが、調べてみると、このうち今も営業を続けているのは、荒井屋と徳記のみです。実は、私も池波さんが徳記を紹介されているということ(この本のことだと思います)をテレビで見て知り、徳記へ行ったことがあるのですが、お客さんへの対応が酷かったので、私が勝手につけている中華街のお店ランキング(こちら)でダントツの最下位です。ただ、その後、徳記は3年前に閉店し、しばらくしてからリニューアルオープンしましたが、名前は同じでも中身は以前とは別物になってしまったようなので、池波さんが食べたラーメンはもう食べられないようです。


「さらに何十年か後の、そのとき、もしも、これまでに紹介された店々の料理の美しいカラー写真の一巻が何処かに残っていて、それを見た人びとは、何とおもうだろうか・・・。そのとき、いま、私たちが生きている時代は、古い古いむかしとなっていることだけはたしかなことだ。」との記載があります。この本は今から45年ほど前に出版されたものです。つまり、池波さんが「何十年後に、それを見た人びと」のうちの一人ということになります。その私がどう思ったかというと、なんとなく、今の私たちは、当時よりも美味しいものを食べているような気がするじゃないですか。でも、この本で紹介されている料理を見ていると、「そうでもないんじゃない?」という気がしてきます。もちろん、紹介されている料理が懐石料理など、普段、庶民が口にすることが少ない料理が多いこともありますが、それだけではなく。昔は時間がゆっくりと流れていたので、料理が、とても丁寧に作られていたし、それを食べる側も、じっくりと味わう余裕があったんじゃないかなぁという気がします。今は、当時より食べられる料理のバリエーションは確実に増えていると思いますが、手間がかかる料理は人知れず失われて行っているのではないかという気がします。本当に豊かな時代なのはどちらなんだろう?そして、これから45年後、どういう時代になっているのでしょうね。


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